2018年8月20日月曜日

木々に囲まれた動物園──千葉_5

2018.8.5【千葉県】──JR総武線を歩く_14

 仕事で付き合いのある千葉在住の方に「動物園があります」と誘われ足を運ぶことに。千葉駅からモノレールで15分程度の立ち寄りやすい地にあります。



 1985年に開園し、霊長類の飼育や絶滅危惧種等の繁殖に力を入れ、国内初の繁殖実績をいくつも持ちます。
 猛暑日に動物の姿は見られないと分かっているのに、動物園訪問は夏に多い気がします。ところが動物たちは元気で、日陰を選びながら動き回る姿が多く見られます。日本産のわれわれがバテバテなのに、湿度の高い暑さに適応できるのはスゴイ。
 動物園のジレンマである、見学者が求める視認性と、動物が過ごしやすい物陰(日陰)設置の解決策として、見学路や各動物の運動場を木々で囲む対策が取れらます。そのおかげで、お互いに日差しをを避けながら動き回ることができます。ゾウ、キリン、ライオンの運動場は開けているため、ライオンは日陰で寝ています。

 この日は暑さを避けるため少し遅めに訪問するも…… この夏は夕方まで気温が高いと感じませんか?
 3時を過ぎるともう夕食時間のようで、室内で食事する動物たちは、早く部屋に入れろと入口の前で待っています。外で食事をする連中のモリモリ食べる姿は一興ながらも、食べることに夢中で顔も上げてくれません。
 彼らの食事が終わってもこれから夜行性の動物もいるので、飼育係の仕事は大変そうと(宿直も必要)。TVで目にした親の代わりに幼い動物を育てる方は、人間の子供以上に神経を使うように見えましたし、繁殖を成功させるためには、やはり愛情を持って接する以外ないように。


 野生のキリンには逃げ足が速い印象がありますが(時速50〜60km)、動物園で生まれ狭い運動場で育った子供たちは、果たして秘めた能力を発揮できるのだろうか? と思ったりします。
 繁殖等による動物園間移動はトラックで運ぶようで、体長5m近くある動物を運ぶ際のキリン輸送レポートから苦労がうかがえます。輸送中に首を出し陸橋に頭をぶつけて死亡した事例があるらしく、それを防ぐためには移動中もモニタで観察する必要がありそう。
 動物たちには迷惑でしかないが、ゾウやライオンの姿と同様、初めて実物を目にした時のインパクトを、子供たちにも感じさせてあげたい気持ちを抱きます。

 フラミンゴは、生息地のアフリカ グレート・リフト・バレー(大地溝帯)にある、強アルカリ性の湧水が流れ込む塩湖で発生する藍藻(らんそう)をエサにするため、羽の色はその赤色に染まるとのこと。動物園ではエサに色素を添加する(体に悪そうな響き)らしい。
 明るい色彩の動物は少ないので動物園側の気持ちも分かるし、フラミンゴ側にも色の鮮やかさを競う意識があるとすれば、よろこんでいるかも……

 下のアシカの子供は盛んに母を呼ぶも、母は知らん顔で泳ぐため覚悟を決めて水に飛び込みます。結局母に近づけず引き返すもなかなか岸に上がれません。これが親から与えられる試練なんでしょうね。


 下は二足立ち姿がブレイクしたレッサーパンダの風太(この動物園にいるとは知らなかった)。注目されたのは2005年で現在は15歳(人間だと60〜70歳)。生後間もなく母親にしっぽをかみちぎられたため、しっぽが邪魔にならず背骨を反らすことができたとされます。
 人気者の特権か、暑さ対策で表の小屋にはクーラーが設置されるらしく、なかなか小屋から出てきません。
 彼のような人気者が生まれないと小規模な動物園の運営は厳しいかも知れません(この日はガラガラ)。
 右は精悍な姿のオジロワシ。

 動く動物をパシャパシャ撮っていたら、カメラの「メモリカードがいっぱいです」となり本日終了です。



追記──猛暑の夏でも耳にしない「電力不足」

 猛暑が続くも電力不足による節電の呼びかけを耳にしません(以前はエアコンの効いた部屋で高校野球を見ている時間帯が電力需要のピークとされた)。その背景にあるのは「原発はいらない!」とする、利用者側の抗議ではないかと受け止めます。
 政府は「省エネを呼びかけた成果」としても、利用者側は「原発に賛成した覚えはない」のに、「廃炉費用の利用者負担」を押し付けようとする政策に対する「NO !」の意思表示をし、「原発はなくても大丈夫」の実績を突きつけたことになります。

 ちなみに現在の課題は、夜になっても暑くエアコンを使用する家が多いため電力需要は減らないが、太陽光発電は日没で停止するため、その落ち込み分をどう穴埋めするかとのこと。そういうところにこそ人の知恵を使うべきと。

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