2018年6月11日月曜日

駅前改革の必要──船橋_1

2018.5.20【千葉県】──JR総武線を歩く_4

 はやりモノのブームとしては長続きした、船橋市非公認のゆるキャラふなっしーは、船橋市在住の「梨の妖精」という設定らしい。高台にはナシ栽培に適した温暖で水はけのよい土地が広がっており、千葉県の生産量は国内第1位、船橋市は県内第4位とのこと。




 船橋駅に乗り入れる鉄道路線には、JR総武線、総武線快速(隣の西船橋は通過)、東武野田線(東武アーバンパークラインは愛称らしい)、京成線(京成船橋駅)があり、乗り換え客を西船橋駅と分散しても混雑は激しそう。
 船橋市は都心と千葉市のほぼ中間に位置し、人口は千葉県第2位ながら、東京23区への通勤率35.7%(平成22年国勢調査)は思ったより低いと(通過する人が多いように)。
 以前の京成線は繁華街の地上をクネクネ通るため、不便そうな町の印象でしたが(スカイライナーからの印象)、2006年に高架化され便利になったはずも、日曜の繁華街にしては人出がイマイチに見えます。
 1967年「海の見える百貨店」として開店した西武船橋店が2018年2月に営業終了したように、郊外の駅前百貨店はショッピングモール等の影響をモロに受けているようです。
 上の東武百貨店では屋上イベントが開かれますが、集客数は仕掛けの成否次第という厳しい状況のように。定番の「催事場」には人が出ています。



 東照宮は徳川家康を祭る神社ですが、ここには小さな祠(ほこら)があるだけで、「日本一小さい東照宮」と呼ばれるらしい。
 以前周辺には、家康が東金方面へ鷹狩りに出掛ける際の宿泊・休憩施設とされた船橋御殿がありましたが、2代将軍 秀忠の後は廃止され、その跡地に船橋大神宮の神職が建立した神社。
 当時、川崎市 武蔵小杉付近にも同様の宿泊・休憩施設があり、現在も名称が残る小杉御殿町に暮らした経験から関心を持っていたが、ここは駅に近いこともあり旧敷地は住宅地とされ(名称も残らない)、かろうじてこの一画だけが残されているように。



 元々農民が信仰したお天道様(太陽神)を祭り信仰を集めましたが、後に伊勢神宮の祭神 天照大神を祭る神明社が合祀され、船橋大神宮と呼ばれるように。
 戊辰戦争の江戸城無血開城後、江戸を退いた旧幕府軍勢力と追撃する新政府軍間の船橋の戦い(初めて知った)では、市川・八幡・中山・船橋が戦場と化し、旧幕府軍の本営が置かれた当社は焼失します。
 江戸時代の境内にあった常夜の鐘(灯りがともされた)は夜間航海の目印にされ、右の灯明台が稼働した1880年〜95年の間も、政府公認の民設灯台とされました。
 当時は近くまで海が迫っていたため、高台の建造物は山立ての目印にされたようです。




 橋から船の舳先が突き出すモニュメントが飾られるのは、この橋が地名由来とされるためで、「これでふなばし〜?」と思うも、船を並べて橋とした様子が想像できるので、制作意図は伝わってきます。
 出自は日本武尊(ヤマトタケル)東征にちなむもので、流れに翻弄される木の葉のような小舟でも協力すれば事を成せるとしたいようですが、想起したのは神話のいなばのしろうさぎとしたら、怒られそう……



 船橋大神宮の門前町として市が立ち(室町時代)、江戸時代には幕府直轄領の宿場町として栄えます(遊郭があったらしい)。
 古い建物を守る姿勢には心意気が感じられますし、その世界に入ってみたいと思うも、右:呉服店、下:和菓子店では、ちょっと縁がないか。
 いくつも落花生の老舗を見かけたが、この辺で乗っておくかと、土産感覚で「止まらなくなるから一番小さいの!」を。さすがにおいしいが、値段もなかなか。
 2015年統計では、国内の約80%を千葉県で生産しているそうで、ナシ、落花生に続く次なる商品(産物)開発にも力が入りそうです。
 駅前繁華街の活性化に、船橋橋が架かる旧中心街の歴史を守り売りを結びつけられれば、新たな魅力・可能性が見えてくるのではないかと。



追記──都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト
    〜日本にしか作れないメダルを東京五輪に〜

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で授与される、約5,000個の金・銀・銅メダルを、リサイクル金属から作ろうとするプロジェクトがあり、何年もリサイクルに出せず、使わないのに引っ越しで持ってきたiBookを引き取ってもらいました。
 まずはひとつ、東京五輪との関わりを実感できたような気がしています。

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