2018年7月23日月曜日

土地が町を育てる──千葉_1

2018.6.30【千葉県】──JR総武線を歩く_10

 JR千葉駅は、内房線、外房線、成田線、中央・総武線各駅停車のターミナル駅で(総武本線は銚子へ続く)、成田線のホームに降りてみると、発車ベルが鳴り終わっても駆け込む乗客を待つ駅員の姿が見られます。これで発車だろうと思った頃、おばちゃんが「すみませ〜ん!」とゆっくり階段を降りてきても、転ばれたら困るのでもちろん待ってあげます。
 そんな情景から、運行本数が少ないローカル線ターミナル駅の役割と、千葉市の土地柄を同時に理解できたように……


千葉駅 エキナカ「ペリエ千葉


 2016年部分開業し、2018年6月グランドオープンしたばかりのエキナカ施設にはスーパーも入っており、ローカル線の待ち時間にエキナカで買い物できるのも千葉駅らしさと(地元住民は値段が高い認識を持つそう)。
 駅周辺施設をリニューアルしたせいなのか、一帯は大雨で何度も冠水します。改修したとしても、これからも局地的な豪雨は増えそうですから不安は続きそうと。



 懸垂式が選ばれたのは、急カーブの道路上を通すためで、同方式モノレールとしては世界最長とのこと。
 複線のため路線が分岐する右は(1号線 千葉みなと〜県庁前、2号線 千葉〜千城台)、4本の軌道が車体を含む高度差で交差するため、かなり巨大な構造物に。
 同じ懸垂式の湘南モノレール(登坂時に力強さを感じる)は単線のため車両基地への分岐はフラット。跨座式の東京モノレールは電車のようなポイントで分岐可能。
 過密ダイヤを可能とする立体分岐はマニアがよろこびそうですが、ちょっとお金を掛けすぎのようにも。1979年運営会社設立という経緯から、浮かれた時代に計画された情景が想像できます。



 田町で暮らした時分、電話で住所を伝える際に発音のせいか「みなとく しば」が「ちば」に聞こえるらしく、2度聞き返されたことがあり「芝公園の芝」と説明したことを、この公園名を目にして思い出しました。まさかこの付近で「千葉公園の千葉」と説明する人はいないだろうと。
 右の照明設備は年代物に見え、電源設備等の理由で旧式のライトしか使えず管理費がかかりそうに。
 1949年完成の掘り下げ式の球場で。1955年までプロ野球公式戦が行われたそう。下の入場口は当時の姿か? 神宮球場のようで、ライトに照らされまぶしい芝を初めて目にし、夢の世界と感じたことを思い出しました。




 近年集客力、車券売上が急速に低迷し、老朽化に伴う修繕費の財源確保が困難なため、国際規格の周長250m(現在500m)の、屋内木製トラックを備えた多目的競技場(仮称 千葉公園ドーム)に建て替え予定とのこと。きっとその方がウケそう。
 競輪場は初体験ながらコーナーの傾斜が緩く見えたのは正しいようで、コーナーでスピードが上がらないため、直線で仕掛けるしかないバンク(自転車競技用のトラック)らしい。
 父が競輪をやっていた時分、たまに勝つと「寿司食いに行こう!」と、あぶく銭をふるまっていましたが、それが楽しみだったようにも。ギャンブルしか娯楽が無かった世代も高齢化し、公営ギャンブルが存続の危機とされるのも時代の流れかと。
 父の納骨、一周忌、初盆を終え、とりあえず肩の荷が下りたように……




 ここは千葉市立公園で、陸軍鉄道第一連隊跡地に、野球場、プール(この日がプール開き)、体育館や綿打池(上・右・下)が整備されます。
 新京成線(京成津田沼駅〜松戸駅)は、陸軍が演習用に敷設した線路が払い下げられたように、周辺の丘陵地には多くの軍事施設がありました。
 上の蓮華亭は、ちょうど咲いていたオオガハス(1951年大賀博士が発見した2000年前の古蓮で、検見川の大賀蓮は千葉県天然記念物)を眺められる資料館。
 売りはハスだけでも、市民の憩いの場として親しまれる様子がうかがえ、市民公園としての役割は果たしているように。
 営業終了後にボートを池の中に係留するのは、以前いたずらされたためか?



追記──無尽蔵とも思えるエネルギー!

 ここ数週間近所の江戸川区球場では、夏の甲子園大会の予選が行われており、応援とブラスバンド演奏が球場周辺に響き渡ります。暑さでヒーヒー言ってるオヤジとは別次元に生きる若者たちが備える、青春エネルギーに限界はないのでは? と感じるようになりましたが、当時は本当にそう思っていましたっけ……
 暑い夏に若者たちの熱さから勇気をもらう日本独自の文化ですが、くれぐれも熱中症にはご注意ください。

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