2018年7月9日月曜日

海に砂をまくこと──幕張_2

2018.6.9【千葉県】──JR総武線を歩く_8

 「新都心の中にあって、貴重な緑の創出とともに、国際交流の場としての役割を果たせるよう、グローバルな視点から誕生したのが、ここ幕張海浜公園です」──by 千葉県
 目標の達成度は不明ですが、かなりお金をつぎ込んでいるようです。




 ビッグハットのベンチと花時計(後方)が並ぶ光景は、女の子+母親には受けがいいらしく、付近にはゆるりと集まる姿が見られます。
 花時計はガキ時分のトレンドで、向ケ丘遊園等の施設で見かけましたが、花も時計も維持にはお金が掛かるらしく、時計が壊れた後は花壇〜植え込みとされていました。


 幼児が群れるとすぐけんかになるのは、自我に目覚め自己主張が盛んになるためらしく、集団の遊びでけんかをしながら仲間との付き合い方を学ぶようです。
 多くの子どもは、徐々に他人を尊重することを学びますが、自己主張を続け大人になった存在を「個性的」とするのは、輪を重要視するこの国特有の評価なのだろうか?
 個性ってのは、持って生まれたものはもちろんですが、幼少期に限らず周囲との付き合いから形成されるものではないか、と感じさせられた光景です。



 国際交流の場とされる公園施設には「日本庭園が必要だろう!」のかけ声が動機とも感じますが、昨今の外国人旅行者は日本文化を好むようなので、和テイストの公園はアピールになりそうです。
 とは言え、いくら趣向をこらしても不要な借景(周囲の建物)がついて回るため、もっとも大切な落ち着きが感じられません。日比谷公園の西洋式庭園が都市になじむと感じるのは、見慣れたせいか?
 ですが見方をひっくり返し、この庭園は隣接住宅のベランダから庭の様に眺めるためのもので、その特権を有する部屋には「庭園整備費」が課金され、それを庭園運営費に当てるとすれば、半分程度は納得できそうと(一般の入園料は100円徴収されます)。



 海岸通り沿いには、オーシャンビュー(東京湾ですが)を有する高層住宅が並びます。視界が開けた立地とフェニックスの並木が、南国リゾートをイメージさせる街並なので、空いた空間にも白い建物が並べば幕張とは分からないのではないか(ルックスだけの話しですが…)。




 この人工海浜は埋め立て事業の際、事業主体の千葉県が造成を約束したもので、1979年オープン当時は、海水浴客やウィンドサーファーなどでにぎわいますが、周辺海域の浚渫(しゅんせつ:海底の掘削)等の影響から、砂浜は浸食され狭くなってしまいます。
 砂の補給、養浜工事や波を弱める潜堤(海面下の堤防)等の対策も実らず、現在は遊泳禁止とされます(維持を目指した時分は莫大な費用をつぎ込んだらしい)。


 千葉県には、東京湾内なら富津、太平洋側なら九十九里に砂浜はありますが、近場の手軽さを考えると「まあいっか」と、ある程度満足できそうに。
 付近は、西(船橋側)に倉庫群、東(千葉側)に工場の建物が目に入る場所ながらも、海と向き合えば周囲の環境に関係なく心が落ち着きます。
 人の視界は融通が利くが、写真は正直に背景をしっかり映し込むため、上は背景が写らないロケーションを探しているようにも(左はモデル役)。
 海に砂をまくことは、砂漠に水をまくようなことでも、「海の子」たちを引き寄せる力を持っています。



追記──2018 FIFA ワールドカップ ロシア大会 日本の幕切れ

 予選リーグ最終戦の不本意な時間稼ぎは、決勝トーナメント ベルギー戦にチャレンジするためだったことを証明するような、期待にたがわぬ戦いを見せてくれました。結果として力の差を見せつけられましたが、「勝てるかも知れない」と思えた瞬間があったことは、今後の夢につながります。
 乾、香川、柴崎選手らが世界の注目を集め、後進の新たな目標となったことも、この先の希望になりそうですし楽しめた大会でした。2ヶ月間ながら西野監督お疲れ様でした。
 幕切れとともに大谷翔平クンが復帰したので、サッカーロスはなさそうです……


追記──広範囲に及んだ西日本豪雨被害

 これまで梅雨の豪雨被害を幾度となく目にしましたが、ここまで広範囲に被害をもたらした豪雨の記憶はありません(台風は通り過ぎるが今回の豪雨は停滞しました)。
 関東地方だけに張り出した太平洋高気圧が、関東の梅雨明けを早め、梅雨前線を活発化させる暖かく湿った空気をせき止めたため、同じ地域で豪雨を長引かせたように。
 「これまでに経験したことが無い異常事態」は毎年どこかで起きていますから、警告の受け止め方を見誤らない準備が必要です。
 被災された方々が一刻も早く普段の生活を取り戻せますよう……


追記──オウム真理教事件 死刑囚の刑執行

 事件の全容解明は不可能と思っていましたが、ひとつの区切りを向かえました。その判断は、被害者及び関係者に対する配慮のためとされるのでしょう。
 海外からは「大量虐殺」との批判がありますが、当事者であるわれわれ日本人には、「7人の殉教者」とされたくない、後継団体のアレフには現在も1,500人余りの信者が属する、地下鉄日比谷線 築地駅で時折想起する、等々の切実さがあるため、事件から23年経過した現在でも客観視できず、批判に耳を傾けられないように。
 事件を知る日本人で、事件が終わったと思う者はいないのではないか? と……

0 件のコメント:

コメントを投稿

色あせる思い出──いなげの浜

2021.4.10【千葉県】  ここは埋め立て事業により失われた浜辺を、日本初の人工海浜として復活させたものですが(1976年)、侵食の影響が大きいため保全は大変そうです……  ディンギー(キャビンを持たない小型の船舶)を目にすると、条件反射のように 大瀧詠一「...