2018年10月22日月曜日

やはり人は水辺に──村上

2018.10.6【千葉県】──東葉高速線を歩く_8

 京成線等の鉄道を止めた台風の塩害は広範囲に及び、八千代中央駅前にある街路樹の多くが落葉したため清掃の手が回らないようで、落ち葉をパリパリ踏みながら歩きます。




 不動産広告のようですが、周辺地域の売りはこんな絵になるのでは(付近の住所は開発後に命名されたゆりのき台)。
 八千代中央の駅名は、交通が不便な旧中心地にある八千代市役所(成田街道の旧大和田宿付近)のイメージアップを狙ったとしても、最寄り駅にしては距離があります。市役所は旧役場に開設されるなどの経緯がありそうですが、期待できないサービスは同じでも、交通の便の善し悪しが評判につながります(江戸川区役所も不便)。
 現在では駅前の一等地となった団地は東葉高速線開通前に建設されたそうで、この方面には現在もバス利用が必要な団地がいくつもあります。駅から離れた団地が多い場所柄は町田(東京都)のようだと。




 東葉高速線は北習志野駅から丘陵地北側斜面の利根川水系を通るため、川は北側へ流れますが、上の新川は北の利根川水系から南の東京湾に向かって流れます。
 それは、江戸時代まで東京湾に流れ込んでいた利根川を現在の流路に付け替え後、印旛沼周辺が利根川の洪水の影響を受けるようになり、その水を東京湾に排水するために印旛放水路(新川)が開削されたことによります(水害を郊外に付け替えただけじゃん)。
 東京湾側水系との分水嶺付近に設置した排水機場で水をくみ上げ(4.6m)、東京湾へ流れる花見川に排水しています(東京湾満潮時の排水には高度差が必要なため)。
 これまで、利根川流路の付け替え工事そのものがピンときませんでいたが、現在の利根川と東京湾の高低差がその程度で、利根川水系から東京湾への排水路があると知り、水理のシビアさをようやくイメージできた気がします。




 市民体育館や運動公園等が整備される新川沿いは、以前水田・耕地が広がっていた河川敷で、対岸にも総合グラウンド等が整備されます。
 丘陵地が広がるとはいえ、習志野のように平坦で利用しやすい土地(そこも軍部が占有し、現在自衛隊駐屯地等)ではないため、グラウンド用地の確保には苦労したようですが、スポーツ施設がまとまっているので、大会の催しなどには利用しやすそう。


 新川沿いには、新川千本桜植栽事業として市民団体や市が中心となり約1,200本の桜が植えられます。村上駅周辺のソメイヨシノに目を留めさせ、種類を混ぜて関心を引き、時季は違うが郊外地区の河津桜の並木に誘おうと工夫しているように。
 桜の季節に下草の緑は少ないにしても、日当たりのいい堤上にシートを広げる花見の光景が、心地よさそうな絵として浮かびます。
 手前の木はソメイヨシノではなく、陽光という桜?
 考えてみると、ソメイヨシノが一斉に咲いたら「春が来た」と満足してしまうため、桜の種類を知ろうとしないのではないかと。

 付近には歩道のある橋が2本ありますが、歩行者は右のなかよし橋(斜張橋の人道橋)が一番利用しやすそうに。
 村上にあるショッピングモール(フルルガーデン八千代 イトーヨーカドー等)へ、自転車で川を渡り買い物に行く際は、両岸の公園を抜ける道を選びたくなるのでは(八千代中央には大きなショッピングセンターはない)。

 この下流側にある大和田排水機場から東京湾側は花見川とされ、幕張方面に向かいます。


追記──待ち遠しかった秋晴れ

 今年の秋雨は長く続いたため(台風がいくつも来たし)、久しぶりの秋晴れの週末(10月20・21日)には、屋外へすっ飛びだして行った方も多かったのでは?(それはわたし)
 洗濯物も乾きやすいカラッとした気候になりましたが、脂っ気の少なくなった肌は途端にカサカサし始めたので、お肌ケアのクリームを準備せねばと……

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