2018年10月8日月曜日

環境整備も大切では?──八千代緑が丘

2018.9.23【千葉県】──東葉高速線を歩く_6

 東葉高速線は北習志野駅の先から、分水嶺を越え利根川水系(川が北側へ流れる地域)に入ることから、本線は丘陵地の北側斜面開発のために建設されたことに気付きます。




 大学と反対側の改札口(上)は住宅地を意識した駅舎ですが、地下ホームの端が高台際の斜面ギリギリなのは、大学側の敷地を優先した計画のせいかと。
 斜面下の谷地も駅至近のため、盛り土をして整備すれば売れるとの考えらしいが、近頃では毎年耳にする「数十年に一度の豪雨」では、谷地に流れ込む雨水が住宅に迫ることも考慮すべきと。「大丈夫だろう」と判断した根拠を再検証することで、「万が一」を「10万が一」程度の確率に下げられるかも知れません。




 「丘陵地の住宅街」の響きからは、高台に住宅が並ぶ光景をイメージしますが、周辺は丘陵地の端にあたるため谷地が存在します。谷地の土地利用は緑地や親水公園などが主ですが、宅地開発が進み高台の土地がなくなると、谷地を宅地化しようとする業者が現れ、様々な手を使い建築基準をすり抜けているように。
 公園一帯は以前、湿地・沼地だったと思われ(下は現在調整池)、カメラ後方の農家はここから数メートル高い地に家と畑を構えています。その数メートルがこの地に暮らす生活の知恵と感じるも、調整池下流側の堰より低い土地の造成工事が行われています。違法ではないにしても、購入を検討する方に注意喚起する方策はないかと。





 周辺の高台に整備された区画に住宅が建ち始め、新設道路沿いにはとりあえず(?)駐車場完備の店舗(コンビニ等)が点在します。
 以前大阪でよく目にした、地名を店名にした食堂(上)が交差点にあります(まいどおおきに食堂の系列)。関西には多い作り置きの料理を選ぶスタイルで、玉子焼は注文を受けてから調理してくれますが、「この甘さ、勘弁してくれ!」の記憶があります。
 関西では甘めの味付けが多いため、「これなら大丈夫」の料理を探すのに苦労したことを思い出します。ここは関東なので大丈夫と思いますが……


 八千代緑が丘駅近くの谷地にあるよどんだ池(上)は、上流側のゴルフ練習場(上奥・下)と、カメラ後方の下流側に建設された道路の埋め立てで、孤立しているように見えます(流路は地下に確保)。
 公園として整備される計画らしいが、この状況は部外者の目に大きなマイナスイメージとして映ります。また歩きたいと思える水辺に整備されていたら印象も大きく違うだろうにと、自治体の関係者に伝えたい! 不動産業者も、公園整備予定と宣伝していることでしょう……





 これが近頃の新しい町のイメージですから、このあたりが東葉高速線(1996年開業)沿線開発によって大きな変貌を遂げた地域かと、イオンモール八千代緑が丘(2005年開業)テラスから。大型商業施設等に周辺地域から人が集まるようになったことは、TOHOシネマズ八千代緑が丘(06年開業:10スクリーン)が継続することからも推し量れます。
 周辺では年少人口が急激に増加し、小学校がマンモス校(ガキ時分はよく耳にした)に膨れ上がり慌てて新設したそうですが、子どもの遊び場も少ないように感じます。
 わたしが学校に通った時分の神奈川県は小・中・高校ともに新設ラッシュで、校舎が間に合わなければ仮設のプレハブ教室は当たり前の状況でした。小学校は1年間だけの在籍で第1期卒業生、高校は校舎完成時に入学した第3期卒業生という時代。振り返ってみれば、決していい環境ではなかったと……


追記──祝! ノーベル医学生理学賞受賞 本庶 佑(ほんじょ たすく)先生

 ダンディな振る舞いに加え、非常に厳しそうな印象は、自分に厳しい姿勢の表れと受け止めます。本庶先生に限らず、ノーベル賞を受賞した先生方が必ず口にする「基礎研究(現象を良く理解し、予測するための科学的理論向上を目指す研究)の大切さ」は、近頃おろそかにされることへの警鐘と。
 研究助成金の配分を、基礎研究は減、応用研究は増とし成果を早く求めるばかりでは、「わたしたち(ノーベル賞受賞者)」が若い研究者を育てることができないと、基盤整備に腐心される様は、先達の研究者から受け継ぐ役割なのかも知れないと……

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